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#0171@ジャングル大帝 [テレビ番組]

フジテレビの特番アニメを見ました
ジャングル大帝のテレビオリジナル版(約2時間)の特番を見ました。ストーリーはオリジナルとのことですが、テーマとしては、いかにも手塚治虫らしい内容になっていたと思います。
というかむしろ、「手塚イズム」を一生懸命表現しようと、制作サイドが気合いを入れすぎてしまったのではないか? とさえ思える力作です。

手塚作品の多くは世の中はとても複雑で、「完全な悪、完全な善」は存在しないということを、われわれ「凡人」に示唆してくれます。それこそが人間らしさ、人間くささだと。その上で、

「欲張るな、おごるな、さもないと……。しかし未来はある。希望を持て」

と、生きる勇気を与えてくれるわけですね。

よく、「手塚作品にはヒューマニズム」を感じるという人がいます。たしかに、普遍的な意味で「人間はどうあるべきか?」を常に示唆してくれている感はあります。そもそも本来のヒューマニズム(英語)には、「人間第一主義」「利己的な人類愛」といったような意味合いもあるようですが、日本人がヒューマニズムという言葉を使う場合、そうした悪意を含むことはないようです。それもきっと、手塚治虫がヒューマニズムを善意として日本人の心に定着させたからではないでしょうか。

今回の「ジャングル大帝」も、ネタバレするので詳細は書きませんが、そういうテイストになっていました。「人間が自然を支配できるか?」 という問題提起があり、そして結局、「それは無理だ」ということになるわけですね。その展開自体は、ある程度(見る前から)予想できたことですが、その「着地点」をどこに持っていくのか? その点にばかり注目して見ていました。子供向けっぽい作りの中で、いかに「大人も納得する哲学的な着地点」を見いだしてくるのかに期待しました。

その点については、見る人それぞれの感想になると思いますが、ワタシの場合、自然を支配しようとする「大山賢造」という人物の声アテを、テレビアニメ版のブラックジャックの声を担当した大塚明夫が演じているというところに「着地点」を見つけました。大山賢造は、物語の中に登場する「唯一の悪」です。それが手塚アニメのヒューマニズムの象徴であるブラックジャックと同じ人によって演じられている、という点に制作サイドのメッセージ性を感じました。

つまり、そういうことなのか、と。


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