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#0135@刑務官の権力 [ニュース]

http://www.so-net.ne.jp/news/cgi-bin/article.cgi?gid=mai&aid=20090706-570-OYT1T00606
「権力意識」を改革するのは難しいのでは?
刑務所や少年院での刑務官の不祥事が後を絶たず、対策を施しても増えているということです。増えているんじゃ、対策になっていませんが……。

これ(刑務所における刑務官による暴行事件)に関しては、以前、その原因を探るために、アメリカである実験が行われたそうです。アメリカでも社会問題になっているようです。規模が大きいからなおさらでしょうか?
で、その実験の模様が録画され、日本のテレビでも放送されましたが、その結果わかったのは、刑務所内で暴力が起きるのは「暗示」が原因だということでした。

実験の模様は細かくは憶えていませんが、学生アルバイトを100人ぐらい集め、刑務所のような閉鎖された空間で、数日間過ごさせる、という内容のものでした。


彼らを2グループに分け、一方に「刑務官役」、もう一方には「受刑者役」を演じさせます。それぞれに制服を着させ、もちろん、それぞれの日常生活を「演技」として再現してもらいました。

普通に考えると、彼らは「実験」であることを認識していますし、「アルバイト」ですし、いつかこの「演劇」が終わると思っていますから、刑務官と受刑者に分かれたところで、何の問題も起こさない……はず……だったんですが、何と、房内に入れられた受刑者は、ある人は本気で暴れ出し、またある人は鬱屈状態になったり、自分の将来に絶望したりしたそうです。逆に刑務官はだんだん受刑者(役)に対する態度が横暴になり、相手がおとなしくしていても、暴力を振るうという行動に出始めました。

その時点で実験は終了し、学生にコメントを求めたところ、彼らは「演技」であることを忘れて、本気で相手を憎いと感じたということです。

まあ、房内に入れられた受刑者役の方は、「檻の中」のストレスは相当なものでしょうから、ある程度「自分を見失う」ことがあっても仕方がないかな、とは思いますが、刑務官役は、自分たちが絶対的優位に立っているわけですから、相手に暴力を振るわなくても、行動を止めることはできるはずですよね? 警棒や拘束道具なども用意されているんですから。

しかし、現実にはそうはならなかったんです。刑務官役は、自分たちが優位に立ったことで、その立場を利用して自分の欲求を満たす行動を起こしてしまったんですね。演技であることを忘れて。

つまり、そういう場面では「権力を持っている人の衝動を抑えるのは難しい」、ということが、少なくともこの映像では証明されてしまったわけです。

となるとやはり、刑務官側の意識改革というのが重要になってくるわけですね。受刑者の方はおとなしくしていても攻撃されることがありますし、基本的には同じ場所にずっといるわけではなく、「いずれいなくなる」存在ですから、意識改革の必要はないかもしれません。また、精神的な矯正が困難な性格の人もいるでしょうから、受刑者の意識改革は難しいかもしれません。

でも、公務員であり職業でもある刑務官は、そういう「権力意識」を一度持ったら、ずっとそのまま持ち続ける可能性が高いと思われ、それを防ぐには刑務官の意識改革が必要かと……。

ただ、日本の現在の対応策について考えてみると、「意識改革」について、あまり重視されていないように思われます。少なくとも、この実験映像を見た後では、「根本的な対策になっていないよなぁ」と感じます。

刑務所内で横暴な刑務官でも、家に帰れば「ただのパパ」だし、「上司の前ではおとなしい」でしょう。だから、「本性」を見抜けず、問題を解決できないのではないか、と思われます。

彼らはきっと、受刑者を見ると豹変するんだと思います。「おまえら、オレのいう通りにしろ!」って感じで。
もちろん、「殴る覚悟で取り組まなければならない受刑者」というのもいるでしょうから、ある程度は「圧力」というのは必要なんでしょうけど、でも、その圧力を行使しているうちに「快感」に変わってしまう場合もあるということでしょうか。

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takehiko

とても興味深く拝見しました。

人は相手や立場よって自分を自然に変えて行きます。
大抵はそれは相手とのコミュニケーションのためになされるものですが
このようなある意味閉鎖された、特異で優位な状況で
自分を律する事の基盤も、
「人から今どう見られているか?」という
第三者的な自分の眼がない場合は、大いにあり得る怖さですね。
これは刑務所での話でしたが、
少し前に問題とされた、老人ホームや介護施設での
動く事が出来ない方々にされた
職員の暴行事件にも通じると思います。

自分が人よりも優位に立ちたい、優れていると思いたい。
これは自分が意識して改革してゆく他はない、
「人」が動物として持っている本能的な闇なのかも知れませんね。
by takehiko (2009-07-07 06:40) 

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