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#0149@映画「シッコ」 [映画]

イギリスかカナダに住みたくなった
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マイケル・ムーアのドキュメント映画「シッコ」を見ました。
この映画はアメリカの医療業界、健康保険業界の制度自体を批判しています。

冒頭、事故やケガで保険会社に保険金を請求した人たちが、保険の支払いを拒否されるというシーンがたくさん出てきます。

「保険屋は、いかにカネを支払わないか」

彼らは、そのために専門家である医師も抱き込みます。保険業の利益は「払わないこと」で生み出されているのが現状ですから、支払額を減らすためなら、何でもやるということですね。
ただ、これは民間の保険業での話です。そういう意味では日本でも同じようなことがありますね。

しかし、アメリカの場合、風邪や内臓疾患のためにも民間の保険に入っておかなければいけないのだそうです。政府主管の健康保険制度が存在しないので、こうした病気を想定して民間の保険に入るというわけです。ただし、民間ですからそれなりに保険料が高く、その結果、約5000万人が無保険だそうです(総人口は約3億人ぐらいです)。

あと、日本とは違うと感じたのが、アメリカでは保険会社と病院が提携していて、仮に患者がその病院と提携している保険会社と契約していなかった場合、急患であっても診察を拒否される、ということです。
これは堪りませんね。旅行先で病気になったときでも、提携病院かどうかを調べてから行かないといけないということですか?

さらには、「救急車を呼ぶ前に保険会社に確認を取る」という決まりがあると聞いて、驚きました。交通事故に遭ったときなど、意識不明の状態で、いったいどうやって保険会社に連絡すればいいのでしょうか?

そして映画は、「じゃあアメリカ以外の国はどうなのか?」
と各国の医療保険事情を調べる展開に。

カナダ、イギリス、フランス、まずこの3か国では、医療費は「タダ」。
マイケル・ムーアは、まさに「あ然」としてしまいます。

そして、もっとも驚いたのが、キューバを訪れた最後の場面。
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なんと、キューバにあるアメリカ領のグアンタナモ基地に収監されている、あの「アルカーイダ」のメンバーに関しては、医療費はタダで、しかも、最新の設備で容疑者1人に対して4人の医療スタッフを配置しているとのことです。

ちなみに、世界貿易センタービルで救命活動に従事したボランティアスタッフの多くが、その活動時に塵肺などの病気になっているそうですが、政府は「公務員ではない」という理由で、彼らに対するケアを拒否している、ということも映画では語られています。つまり、グラウンドゼロで国のために働いたボランティアには、医療費は支給されないのに、その事件の張本人の一味であるグアンタナモの容疑者たちは、超厚遇を受けているということですね。

なんか、倫理的にもナショナリズム的にも、ワタシがアメリカ人だったら、マイケル・ムーア監督と同じようにがっかりするだろうと思いましたね。

そして、キューバ本国も医療費は「無料」とのこと。法律によって、一定区画内に薬局と病院を設置しなければならないことなども決められているようです。

これにはきっと、ある程度「アメリカのダメさ加減」がわかっていて、だからこそ映画化に踏み切った監督といえども、相当呆れたんじゃないでしょうかね。

そして日本人であるワタシは、「まだ日本はアメリカよりマシか」と感じましたが、おかげで「絶対にアメリカには住みたくない」と思うようになりました。そして、「もし日本もアメリカみたいになるなら、イギリスかカナダに移住しようかな」とも思いました。

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