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#0010@「歩いても歩いても」 [映画]

「歩いても歩いても」はしみじみとした日本映画。

歩いても.jpg

「歩いても歩いても」試写会に行ってきた。今回は「テレビnavi」というテレビ番組雑誌の読者プレゼントとして当選した試写会。

久しぶりに集まった家族同士の人間模様をつづった映画だが、全体的な印象としては、家族同士の距離感や絆といった、本来捉えにくいテーマを、絶妙に描き出していると思う。

それほどドラマチックとはいえないストーリー展開が却って新鮮に感じられるが、さらに、そういう意味での期待感がない分、心の動きを表情やセリフから読み取ることに集中でき、見ていてまったく退屈しなかった。

役所(やくどころ)としては、阿部寛の「真顔でのボケ」と、樹木希林の「まるでアドリブかと思わせる長ゼリフ」がとくに印象深かった。料理や編み物の手を止めずにずっと話し続けているのも凄いが、さらに途中で他人のセリフがカブる演出にもかかわらず、その状況でも観客に彼女のセリフがちゃんと届いている。

 どこか懐かしさを感じさせながら、風景も人物像もかなりリアルな設定だけに、単に「ほのぼのとしたファミリードラマを見せてもらった」というだけではまとめられない作品だ。


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