アタック25(#0312) [テレビ番組]
先日、CSで「クイズダービー」という懐かしい番組を見た。
クイズダービーは30年ほど前のクイズ番組。大橋巨泉を司会者に据え、はらたいら、竹下景子などのレギュラー陣と、準レギュラー、ゲストを組み合わせた5人の解答者がクイズに答えるという番組だ。
当時、「視聴者参加型」のクイズ番組はたくさんあったが、クイズダービーの場合、出演する一般人は解答者席に座るのではなく、「だれが正解を出すか?」に持ち点数を賭けるという役回りになっていて、その設定がとても新鮮だった。「一般人が頑張ったとしても、賞金を獲得できるワケではない」という、何となく「肩すかし」感があるところが魅力的だったのである。
何しろ、当時の視聴者参加型のクイズ番組は、「クイズタイムショック」「クイズグランプリ」など、「とても記憶力のいい人か、たくさん勉強してきた人」しか賞金や賞品を獲得できないものが多く、こういうクイズ番組の場合、最初は「へ~、凄いね、この人」なんて感心して見てはいるものの、そのうち、あまりにもアタマのいい解答者が登場すると、何だかムカついてきたりして、そのころには「飽きられる」というパターンが多かったのだ。
とまあ、クイズダービーを見ながらそんなことを考えていた。最近は、視聴者参加型のクイズ番組が少なくなったが、過去を遡ると、そういう経緯があったのだなぁ、と。
しかし、だからといって、タレントが解答するクイズ番組が多すぎる現在はどうなんだろうか? 圧倒的に多すぎて「気持ち悪いぐらい」だ。
一説によると、芸能プロダクション側からの「一度にたくさんのタレントを出演させたい」という要望に答えるのが目的とも。クイズ番組のほとんどはスタジオ収録なので、ロケ代が浮くとか、テレビ局サイドの経費的な都合もあると聞く。出題用の取材や録画はもちろんロケで行うが、タレントが移動するより制作プロのスタッフが移動する方が、はるかに安く上がるからだ。
でも、もし「制作費」を削減したいなら、一般人をスタジオに呼んだ方がよっぽど安く済むのではないだろうか? 今なら、その方が視聴率が取れるような気がする。
何しろ、タレントが出るクイズ番組は「ウケ狙い」の解答が多く、個人的には、アレはクイズ番組として成立していないと思うのだ。「解答を出すつもりのないヤツ」が、その収録日の朝、スタジオに向かう風景を想像するだけで、怒りが込み上げてくる。
「どうハズせばウケるかな?」
と、きっとスタジオへの移動中、ずっと考えているに違いないのだ。
「正解を目指さないクイズ番組」はクイズ番組ではない。だから、出演者の中に芸人が何人かいる場合、そういうクイズ番組は絶対に見ないことにしている。絶対に、初めから「ハズす」ことを目指しているに違いないからだ。
とまあ、クイズダービーを見ながらそんなことを考えていたとき、「そうだ、アタック25があったじゃないか!」と思いついたのだ。
今年で36年になるという「パネルクイズ アタック25」は、当時からマニアックなクイズ番組として認識されていたような気がする。
何しろ、放送が日曜の昼頃(当時)だから、わざわざ「家でクイズ番組を見よう」と思わない限り、ほとんど見落としてしまうのだ。
放送開始時、小学生だったこともあって、数回は見たが、中学に入って部活を始めた途端、まったく見なくなった。その後、年齢を重ねるうちに、ますます「外向き」のレジャーが増えるにつけ、「もし日曜の昼に在宅しているときは寝ているに決まっている」という状況となり、たまに「アタック25」が画面に映っていると、「これ、まだやってたのか!」と驚いたりしたものだ。
「アタック25」についての説明は不要だと思うが、あの番組の面白さは「オセロゲーム」の要素を取り入れることで、「大どんでん返し」が起きる可能性を秘めているということだろう。たしかに「物識り」の人たちが出場しているが、「だからといって勝てないから」面白いのだ。このあたりは、クイズダービーに通ずるところがある。
ということで、やはり、これからのクイズ番組では、「シロウトを出場させる」というのが面白いのではないだろうか。クイズの形態を工夫して「物識りだけの番組」にならないようにすればいい。いろいろな人を出場させ、賞金や賞品を持って帰ってもらう。視聴率が取れればCMもつくし、賞品の確保にも困らないだろう。要するに、見ている人たちが「わたしも出たい」と思える番組にすればいいのだ。
これなら、たくさんの芸人が出る「だれが来ても同じ」なクイズ番組よりも、よっぽど面白いに決まっている。
それで、どうせやるなら、今どきならば「東北地方」で収録したり、出場者を募ったりしてほしいと思う。公開収録のクイズ番組というのも面白いかも?
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