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#0057@子殺しの本能 [動物]

http://www.so-net.ne.jp/news/cgi-bin/article.cgi?gid=mai&aid=20090114-570-OYT1T00056


自分の子供を床に打ち付けて死亡させるという悲しい事件に対し、冷静にすぎる反応はどうかと思うが、これも親の「本能の一種」なのかもしれないと考えた。

最近、ここ10年ぐらいの間、とても気になっていたのが「同居女性の子供を男性が殺す」という事件が頻発したこと。これは、対象を「人間」として見ると、母親が比較的若いことが多いため、人生経験が足りず、つまり「我慢」を覚える前に母親になってしまったパターンが多いため、その反動で次の「出会い」を必死に守ろうとする、とか、男性側から見た場合、子連れの女性は浮気をする可能性が低いので、心理的に安心できるから安易につき合い始めてしまう、という側面があるとか、そういうことが理由になっていると考えられるのだが、私個人としては、これは「動物のDNAによる行動」と考えている。なぜなら……、

それは動物を扱ったドキュメント番組を見ているとわかるのだが、野性の動物は、人間が思っているよりも、意外と同種の子供を殺す、あるいは死なせてしまうことをよしとする生態を持っている。昔、「同じ種同士で殺し合うのは人間だけ」と学校で習った記憶があるが、どうやらそうでもないようだ。

たとえば、ライオン、そしてヒグマは、オスが子連れのメスに出会ったとき、それがちょうど繁殖期(発情期)であれば、その子供を殺してしまうことがある。そのとき、母親には「まだ子供だから助けなければ」という本能と、「新しいオスといっしょになろう」というメスの本能があり、そのときの状況(子供の年など)によって、どちらかの本能を選択していると考えられる。オス側の「論理」は簡単だ。自分の直系の子孫(DNA)を残すことが目的だから、その子の将来の生存競争の相手になりそうな同種の子供を、今のうちに駆除しておこうということなのだ。メスの中で母親よりも女としての本能が強ければ、目の前で我が子を殺されることも享受してしまう。それよりも、次に生まれる子供に自分のDNAを託そうと考えるのだろう。

だから、これを人間に置き換えれば、子連れの女性と同居している男性が、パートナーの子供を虐待してしまいがちなのは、本能によるものなのではないか、と考えられるのだ。もちろん、同じ形態で出会い、再婚などによって幸せになっているカップルはたくさんあるだろう。しかし、「事件」として表面化するケースでは、ほぼ決まって「同居しているだけで籍を入れていない」というパターンばかりだ。おそらく、男性側に、あるいは女性の側にも、入籍に踏み切れない理由があるのだと思われる。どちらも「子供」に関する葛藤を持っているということだ。そうやって、ずるずると付き合っているうちに、事件に発展してしまうこともあるのだろう。

さて、では今回の「双子のうち、ひとりを虐待死」させてしまったケースはどうだろうか?

これは、ライオンの話とは違う種類の本能で、肉食の鳥類に見られる生態に似ている。とくにマカロニペンギン系、そしてワシ、タカ、フクロウなどの猛禽類だ。マカロニペンギンの仲間(イワトビペンギンやフィヨルドランドペンギン)は、通常、2つの卵を産む。猛禽類も2~3個の卵を産む。しかし、実際に育てるのは1羽のみであることが多い。同じペンギンでも、コウテイペンギンは1個しか産まない。1羽しか育てないなら、よけいに産まないということなのだろうか? たとえば、ヒグマの仲間(ホッキョクグマも含む)は、通常2頭の子を産むが、周囲の環境によって、1頭しか産まなかったり、3頭産んだりする。育てられそうな数だけ産むということと考えられる。

しかし、イワトビペンギンやシロフクロウ、ノスリなどは1羽しか育てない。具体的には、親がエサを持って巣に帰ってきても、1羽にしかエサを与えないのだ。最初のうちは、両方(2羽の場合)に与えているようだが、どちらかが育ち方が早いと見るや(あるいは食べ方などから判断し)、その後は、大きい方(基本的には卵生なので、最初にカラを破った方が大きくなる可能性は高い。先にエサをもらえるからだ)にしか与えなくなるのだ。

そうやって、せっかく産まれた我が子を「あえて見殺しにする」わけだ。

これも子孫の生存率を高める術(すべ)なのだろうが、動物園などでは、それをずっと見せられる飼育員にとっては「むごい」らしく、完全に弱らないうちに巣から取り出し、人工飼育に切り替えたりもしているようだ。

双子を持つ親が、みんなそういう気分になり、虐待してしまいたくなる衝動を覚えるとは考えにくいので、もちろん今回のケースは稀(まれ)なのだろうし、そう信じたいが、こうでも考えない限り、簡単に自分の子供を殺してしまう親がたくさんいる、という現状は理解しがたい。何かしら皆が納得する理由があるはずなのだ。

もし、その理由が「本能に基づく行動原理」にあるのだとすれば、むしろ防止策は立てやすいかもしれない。もはや「親の自己反省」に頼っていては、子供の虐待は防げない。なんとか実効性のある方策を考えなければいけないだろう。


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まちゃ

子殺しが本能であることを前提にすれば、
親は子どもをかわいがるものなのにどうしてって
言われて追い詰められて
よりかわいそうなことになることが減りそうですね。

by まちゃ (2009-01-14 17:30) 

Beagle

コメントありがとうございます。まちゃさんのおっしゃるとおり、やっぱり気持ちの持ちようなのかもしれません。「もしかして殺してしまいたくなるかもしれない」と思って子供を育てれば、一線を越えることは減るのかもしれませんね。人間は本能に打ち勝つ能力を持っていますから。
by Beagle (2009-01-15 03:42) 

minoes

★こんにちは★
(@^ー^@)ノ
そねくじを、頂に参りました。。
御縁があれば・・よろしくお願い致します。
では。。もらいますね!
☆.。.:*‥° ☆.。.:*‥°.:*‥°☆
by minoes (2009-01-17 18:33) 

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