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#0168@映画「シティ・オブ・メン」 [映画]

すぐそこにある「別の世界」を実感
映画「シティ・オブ・メン」を見ました。
cityofmen.jpg
公開:2007年(ブラジル)
監督:パウロ・モレッリ
主演:ドグラス・シルバ、ダルラン・クーニャ

ブラジルのスラム街で暮らす2人の青年の友情を描いた作品です。
2人とも、自分の出自について、正確な情報を知らず、父親が誰かもわかりません。
おそらく、1990年代という設定なのでしょう。当時のブラジルは警察の汚職が横行しており、中には住民からお金をもらって、スラムの子供を殺していた警官もいたという話を、先日、何かのニュースで見ました。

そういう背景を描くためか、物語の展開上、大きな柱となっている「ギャング団同士の抗争」の場面でも、警察官が登場するのは、ほとんどラストに近い場面のみ。
つまり、警察がアテにならない、という「実情」を描きたかったのだと思われます。
ギャング、武器、私生児……。社会問題が凝縮した世界、それがスラムの現実なのだといわんばかりです。

主人公のひとり「アセロラ」はやっと18歳になったばかりですが、すでに結婚して男の子がひとりいます。友達のウォレスは、そのしばらく後に18歳を迎えます。2人はずっといっしょに育ってきた友達です。
アセロラのいとこが首領を務めるギャング団の内部抗争に巻き込まれる中、ウォレスの父親を捜します。
アセロラの父はすでに他界していましたが、それは強盗によって殺されたというものでした。
対するウォレスの父は、誰だかまったくわかりません。2人はウォレスの身分証明書を作るのに父親の保証が必要なため、彼の父親を捜します。
そして、ようやく見つけ出した父親は刑務所を出所したばかりの保護観察中。
最初は息子の出現にとまどう父親でしたが、ようやくうち解けてウォレスの18歳の誕生パーティを開いてくれることに……。
しかし、その日、2人の父親同士に「接点」があったことが判明します。しかも、それは相当皮肉な形で……。父親が刑務所に入った理由というのが……。

リオデジャネイロは海に面した街で、周囲は崖で囲まれた地形ということです。行ったことはありませんが、テレビで見た感じでも、そのような風景だったと記憶しています。その崖に住宅が密集していますが、この映画では、その住宅地の各ブロックをそれぞれ「丘」と称して、ギャング団の「縄張り」のように扱っています。その丘をギャング団が奪い合うという設定になっています。迷路のような、そして階段の多い街。そこで銃の撃ち合いが始まります。

どうやって入手したのかわかりませんが、ギャング団は大量の銃器を、それぞれ相当数所持しています。このあたり、日本ではちょっと考えられないような状況です。
ギャング団が抗争を始めても、住民はただ隠れたりおとなしくしたりしているだけで、誰も警察を呼んだりしません。

いったい、この街はどうなっているのでしょうか?

そういう背景が、日本にはないものであり、日本人には理解できないものなのかもしれません。警察がまったくアテにならない世界など、日本では想像できません。不祥事が問題になる、「わが日本警察」ですが、それでもまだまだ「まとも」なのかもしれませんね。一応、通報すれば急行してくれますから。
しかしブラジルでは……。現在はともかく、10数年前に、そういう世界が現実に存在していたのだ、ということすら、われわれが認識するのは難しいかもしれません。

すぐそこにある世界なのに。

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#0158@夏休みの映画 [映画]

テレビ番組表の先の方を見ると……
ここのところ、映画のレビューばかり書いていますが、その映画のほとんどは、過去にテレビで放送された分を録画し、DVDにコピー(ムーブ)して保存してあったものです。

たくさんあるストックの中から、今回は「あるテーマ」を決めて、何作か続けて見ました。それは「子供向け」というか、「親が子供に見せたいだろう」と思われる作品です。

ワタシとしては、DVDのラックの中から引っ張り出して見ていただけなのですが、どうやら、テレビ局の思惑と一致(?)することもあったようで、最近、テレビで放送された作品とブッキングしてしまうことが何度かありました。

「ナイトミュージアム」や、「101」「102」などは、まさにその典型例。誰も信じてくれないと思いますが、放送されるのを知っていて先にレビューを書いたわけではないのです。「アンネの日記」も、テレビでドラマが放送されるなんて知りませんでしたから。それぞれ、視聴後にブログを書く段階になって、ネットで関連情報を探していたら、なぜかブッキングしていた感じです。

こんな場合、まさか「自分に予知能力がある」などと勘違いするほど、ワタシも愚かではありませんので、冷静にその原因を考えてみました。その結果、出てきた答えは「2つ」です。

ひとつは、現在、夏休みの期間なので、テレビ局が子供向けの作品を放送する傾向があるから。

もうひとつは、ワタシがテレビ番組表をよく見ていないからです。

いつも、テレビから映画を録画するときは、「デジタル放送で、なおかつ途中にCMが入らないもの」と決めていますので、必然的にNHK系列か、WOWOWになります(CS系は未契約)。ですので、これらの放送局の番組表は、ずいぶん先までチェックしています。雑誌を見て、1か月分をチェックしていることもあります。

ところが、民放系(地デジ、BS)の映画番組は、もともと録画するつもりがないので、テレビ番組表を読み飛ばしているのですね。視界に入っていても、読んでいないということです。そのため、「テレビ局の思惑と一致」してしまうことも、ままあるということですね。

その点に鑑み、今後は番組表をもっと詳細にチェックしようと思います。ブログの中でネタバレがあると、他人に迷惑をかける可能性もありますからね。

それと、しばらく「テーマ」を変えてみる手もありますね。戦争モノ、政治モノなどは、たしかストックも多かったと思いますので。

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#0157@海のトリトン・劇場版 [映画]

いろんないきさつのある映画なんですね
「海のトリトン」の劇場版アニメを見ました。1~2年前にNHK・BS2かどこかで放送されたものだと思います。
実は最近、BS2で「海のトリトン」の再放送が始まったことを知らず、つい初めの方の数回を見逃してしまったんですが、それが悔しくて(?)、「じゃあ、映画版を見よう」と思ったまでです。
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公開:1979年(前編のみ)
監督:舛田利雄
プロデューサー:西崎義展
主演:塩屋翼(声:トリトン)
助演:北浜晴子(声:ルカー)など、有名声優多数参加

「海のトリトン」は1972年にアニメ化された作品で、原作は手塚治虫の「青いトリトン」(新聞連載マンガ)です。
ワタシ個人としては、たしか再放送でよく見ていたような記憶があります。夕方4~5時ぐらいに。当時、テープレコーダーにオーディオ端子が装備されておらず、トリトンの主題歌を録音するために、テレビの前にレコーダーを置いて「スピーカーtoマイク」で録っていた記憶があります。まあ、アニメなのに主題歌(歌:ヒデ夕樹)がカッコよかったから、わざわざ録音したんでしょうね。このころはまだ家庭用ビデオはありません。ラジカセがやっと出始めたころでしょうか。

で、その後、ずいぶん経ってから、原作のマンガを読みました。アニメとはだいぶ設定が違っていましたね。マンガ自体も途中で展開が変わっている感じで、手塚「御大」も苦しんでおられたようです。

それで、ワタシは全然知らなかったんですが、「海のトリトン」は今でもある種の人気をキープしているそうで、その理由が「富野喜幸(現:由悠季)」の初監督作品だから、ということです。なるほど。

今回見た劇場版は、宇宙戦艦ヤマトの舛田利雄が監督を務めていますが、これは西崎義展がプロデューサーを務めたことに関連していると思われます。

で、そんなこんなで、いろいろと情報を検索していたら、どうやら「海のトリトン・劇場版」は、当初(1979年)前編だけが公開され、後編はずっと長い間、未公開だったそうですね。2002年になって、やっとDVDで発売されたとのことです。

そんなことをツユほどにも知らないワタシは、普通にこの映画を見てしまいました。これはNHKが前後編をつないだのでしょうか? それともその前に誰かが作ったものだったのでしょうか? まったく、そんな「誰かの苦労」など考えもしませんでした。

というわけで、いろいろと検索した裏話のようなものを並べましたが、映画そのものの感想は「とくにナシ」です。何しろ、この映画はテレビアニメで放送された分を編集して縮めた、単なる「ダイジェスト版」なんですね。ですので、どうしても「ブツ切り感」が拭えません。基本的に「子供向け」なので、場面が急に変わることに対する説明は不要だという判断があったのかもしれませんね。

あ、でもひとつだけ面白いところがありました。ガッチャマンより前の作品なので、声変わり前の塩屋翼の声が聞けます。

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#0156@ナイトミュージアム [映画]

純粋に現実を忘れて楽しめます
博物館で夜な夜な起きる「お祭り騒ぎ」。最初は我が目を疑うほど、荒唐無稽に感じるかもしれません。でも、すぐにその「楽しさ」に気付きます。「ナイトミュージアム」はそんな娯楽映画です。
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公開:2006年(アメリカ)
監督:ショーン・レビィ
主演:ベン・ステイラー
助演:ロビン・ウイリアムス、カーラ・クギーノ

離婚を経験し、元妻に引き取られた息子に会うことを楽しみにしているラリーという男が主人公です。ラリーは、何か「コダワリ」があるのか、なかなか定職に就かず、職安に通う日々を続けています。そして、今回紹介されたのが「自然史博物館」の警備員という仕事でした。

初めて博物館を訪れたラリーは、当初は昼間の警備を担当する予定でしたが、なぜか「夜警」を、しかもひとりで担当する展開に……。そして、その「夜」になると、博物館では「何か」が起きるのです。

冒頭でもちょっと書きましたが、博物館で起きる「お祭り騒ぎ」に関しては、荒唐無稽以外の何物でもありません。最初は、「いくら子供向け映画でも、こりゃないだろ! 子供だましにもならないヨ」なんて思いながら見ていました。

ところが、実はそういうドタバタ劇の中に、登場人物それぞれの感情の起伏が盛り込まれています。親子の関係や、歴史を見直す重要性(アメリカ人ならば、学校で習ったであろう自国の歴史自体を、少しだけ勉強させてくれるような内容も盛り込まれています)など、考えさせられる場面もありますね。

そして、そうやって、興味を持ち始めたときには、もうすでに画面に引き込まれていることでしょう。最後の方は、アクション映画っぽい展開になっていて、違う意味でも楽しめます。

おすすめは、やはり「親子いっしょに見る」ということですかね。とくに、「最近、子供の態度が素っ気ない」と感じているようなお父さんにおすすめします。そういえば、テレビCMでやってましたが、近いうちに「パート2」が公開されるようですね。ぜひこちらも見たいと思います。

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#0155@アンネの日記(アニメ劇場版) [映画]

日本人はオランダをあまり知らない?
「アンネの日記」といえば、第二次大戦中、ナチスの手を逃れて潜伏生活を送り、後にユダヤ人収容所に連行された少女が書いた日記をベースにした物語として、あまりにも有名な作品です。「世界中で読まれた本の中のベスト10に入る」ともいわれるほどです。

そのアニメーションの劇場版というのが、1995年に日本で制作されています。今回は、それを見ました。NHK・BS2で放送されたものです。NHKでは8月に5話連続でドラマを、さらに8/11に、2時間枠のスペシャルドラマを放送するようです。たしか、BSハイビジョンで2時間枠で放送されるはずです(どちらも実写版です)。

今回見たアニメ映画が同じぐらいの時間枠なので、それとどれぐらい内容が違うのか、あるいは同じなのか、楽しみに待っていようと思います。ついでに、昔放送されたアニメの方も、探して見てみたいと思います(1979年にABC放送系で放送されています)。おそらく、アニメ版は児童・生徒を対象にしている可能性が高いので、きっと実写版は、より大人向けになると思われますが……。

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アンネの日記・劇場版(1995年 日本)
原作 アンネ・フランク
監督 永丘昭典
音楽 マイケル・ナイマン
製作 「アンネの日記」製作委員会

アンネ・フランク 高橋玲奈
オットー・フランク 加藤剛
エーディト・フランク 樫山文枝
マルゴー・フランク 田野聖子
ペーター 草彅剛
ファンダーン 坂上二郎
ペトロネラ 黒柳徹子

今回は、キャストの声優まで書いておきました。珍しい人が声アテをやっていますので。スマップの草彅剛は、当時からマルチタレントだったことがうかがえます。ただ、黒柳徹子はベテランのわりに、それほどうまくはなかったのが残念なところです。キャラクターのデザインに関しては、あまり「日本的」とはいえず、表情の変化のさせ方などは、ここ10年ぐらいのディズニー映画に近いものに思えました。テーマがドキュメンタリーなので、その内容に合わせたタッチなのかもしれませんね。

さて、写真はテレビ画面を撮ったものですが、ナチスに見つかり、連行される直前の家族4人の描写です。アニメながら、この表情が作品のメインテーマそのものを表現していると思いました。当時のオランダにおけるユダヤ人の立場というのは、現代人が思い描くイメージとしての「自由」という概念を持つことすら許されなかったのだろうということを容易に想像させます。

「アンネの日記」は、戦争終了後に家族の中でたったひとり生き残ったアンネのお父さんという人が、後に編集して出版したとされています。また、戦後に加筆されているとか、それを「お父さんに依頼された」という人物が現れて裁判沙汰になったとか、日記の最後のページが、当時は発明されていなかったボールペンで書かれているらしい、など、「日記」としての信憑性に疑惑が生じています。ワタシとしても、どうして日記を隠れ家に置いていったのか? そしてナチスはなぜそれを処分しなかったのか(見落とした?)など、不思議に感じる部分はあります。日記を収容所に持っていったのなら、この物語自体が存在しないことになります。

しかし、そんなこととは関係なく、「アンネの日記」の役割は、その知名度の高さをうまく使って、「戦争は人の自由や命を無慈悲に、そして強制的に奪うものだ」ということを後世に伝えることだと思いますので、必ずしも「完全オリジナルの日記」でなくてもいいのではないでしょうか。

ところで、「アンネの日記」の舞台となった「オランダ」という国について、日本人はあまり多くのことを知らないような気がします。「風車とチューリップの国」という印象はあるんですけど、それ以外のこととなると……。NHKは、ここ数年の間に、オランダで撮影されたネタを元にドキュメンタリーを作ったりしています。世界遺産の取材や、現地の政治・経済問題なども放送しています。おそらく、現地もしくはヨーロッパのスタッフが担当しているのでしょうが、少しずつ、オランダのいろいろなことを紹介してくれていますので、これからはもっとオランダのことを知ることができそうです。

(8/3:一部修正)

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#0154@シックス・センス [映画]

どんでん返しに感服し「二度見」
映画「シックス・センス」を見ました。公開当時(1999年)から、作品の存在は知っていましたが、子役の存在が目立っていたせいか、ブルース・ウィリスが出ているとは知りませんでした。

公開:1999年(アメリカ/108分)
監督:マイケル・ナイト・シャマラン
主演:ブルース・ウィリス、ハーレイ・ジョエル・オスメント
助演:オリビア・ウィリアムス
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ブルース・ウィリスが出演していることすら知らなかったぐらいですから、この映画のストーリーについても、予備知識は「ほぼゼロ」でした。
「どうやら、常人にはない能力を持つ子供の映画らしい」ということぐらいしか知りませんから、いわゆる「ホラー・サスペンス」と気付いたのは、死者が出てくるシーンあたりから、ですかね。

それで、全体的な展開としては、児童精神科医のクロウ(ブルース・ウィリス)とのやり取りによって、コール少年(ハーレイ・ジョエル・オスメント)は少しずつ精神の安定を取り戻し、「自分には死者が見える」という現実と向き合いながら、母親との信頼関係を回復させ、「世の中」と折り合いをつけて生きていくことを決意する、という感じで、何となくハッピーエンドを予測させるものでした。

しかし、鑑賞中、この時点でまだ10分以上の時間が残っていることに気付き、
「おや、ハッピーエンドじゃなさそうだな、こりゃ」
「だいたい、ホラー・サスペンスにハッピーエンドがあるのか」
と自問自答(ノリつっこみ)しながら見続けると……。

何と、最後に大どんでん返し! の展開、というか設定です。あまりにも「見事にだまされた感」が強く、その悔しさから、見終わった瞬間に、もう一度、アタマから見直してしまいました。
きっと、どこかにどんでん返しの「サイン」があるはずだ、と思ったからです。似たような設定の「黄泉がえり」(2002年・日本)では、途中でサインが出てきましたから、きっとこの映画にもあるだろうと……。

たしかにサインはありました。でも、気付かなかったようです。「後から考えてみれば、たしかに不自然」と思えるシーンが何か所かありました。それでも見事に「だまされて」しまったということです、完敗、というか感服です。

でも、おかげで感動のラストシーンを2回見られました。

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#0153@102(ワンオーツー) [映画]

続けて見るとより楽しめます
たくさんのダルメシアンが登場する映画「ワンオーツー」を見ました。ワンオーワンの続編です。

公開:2000年(アメリカ)
監督:ケビン・リマ
主演:犬たち
助演:グレン・クローズ、ジェラール・ドバルデュー、ヨアン・グリフィズ
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名作として長い間、親しまれてきた「101」は、ストーリーそのものが面白いこともあって、おそらく実写版(オリジナルはアニメ)を作るときも、あまり内容を修正しない方向で制作されたと思われますが、その続編をどんなテイストで仕上げるかについては、きっと、いろいろと議論されたのではないでしょうか。

102のストーリーは、101で生まれた15匹の子犬のうちの1匹が親になり、その子犬が主人公になるという設定です。101で逮捕された「クルエラ」が、保護観察処分になって出所し、またまた「毛皮」のためにダルメシアンを集めようとします。そして、犬たちと周囲の人間が、それを阻止するという設定となっており、このメインテーマは101と同じです。

102を見始めるまで、クルエラが再登場するとは思っていなかったんですが、そういえば、101のエンドロールに、クルエラの歌(タイトル不明)が流れていました。この歌が伏線だったのかもしれませんね。

ちなみに、人間としての主役は、相変わらず「クルエラ」です。グレン・クローズが101に続いて演じていますが、今回も、そのドハデなコスチュームに目を奪われます。そしてまた、いろいろなものを「かぶって」しまい、そのたびに特殊なメイクで登場します。

というわけで、102は独立した作品としても十分楽しめる設定ながら、前作と続けて見ると、さらに面白いと感じられるかもしれませんね。

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#0152@101(ワンオーワン) [映画]

実写は数を用意するのが大変ですよね
映画「101(ワンオーワン)」は、ディズニーの名作アニメ「101匹わんちゃん大行進」を実写版でリメイクした作品です。
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公開:1996年 アメリカ
監督:スティーブン・ヘレク
主演:犬たち
助演:グレン・クローズ、ジェフ・ダニエルズ、ジョエリー・リチャードソン

タイトルからもわかるように、101匹のダルメシアン(シロクロのブチ種)が登場する映画です。

制作当時は「パンフレット撮影時のみ101匹の犬を用意した」と噂されましたが、たしかに、映画の画面からは100匹以上の犬が出ているようには感じられませんでした。

内容としては、オリジナル作品(1960年代のもの)にかなり忠実で、現代風のアレンジもそれほど加えられていないようです。
となると、後の「ベートーベン」シリーズ(こちらはセントバーナードが主役)にもある「たくさんの犬が登場する」という演出のアイデアは、やはりこの作品からヒントを得たものといえそうです。

物語の展開は、ダルメシアンの子犬で毛皮の服を作ろうというクルエラという怪女と、捕らえられた101匹のダルメシアンを救おうとする動物たちとの戦いを描いています。犬たちの仕草や表情はかわいらしく、ただコメディとして「笑える」というだけでなく、心を癒してくれる作品です。

怪女クルエラはグレン・クローズが演じていますが、彼女のファッションとアクションにも要注目です。何しろ、凄いです、メイクが。出演する「人間」の中では、間違いなく主役です。

101のオリジナルはアニメでした。たしかにアニメの方がたくさんの犬を登場させるのは簡単そうです。とはいえ、実写版では、もしかしたら101匹もいないかもしれませんが、もしそうだったとしても、相当数のダルメシアンを集めて撮影を行った努力には敬意を表したいですね。動物は映画監督のいうことを聞きませんから。

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#0151@映画「DUMBO」 [映画]

この時代にカラーのアニメですよ
ウォルトディズニーの映画「ダンボ」を見ました。ご存じ、耳の大きな子象が空を飛ぶ物語です。
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監督:ベン・シャープスティーン
公開:1941年(アメリカ)

今どきの子供はどうか知りませんが、ワタシが子供の頃、このダンボの話を絵本などで読んだ人はわりと多かったと思います。
でも、ワタシ自身は又聞きだったのか、正確なストーリーを知らないまま、大人になりました。まあ、仮に絵本を読んでいたとしても、ちゃんと憶えていたとは思えませんが。

とまあ、そんな感じですので、この映画が、太平洋戦争が始まった1941年に公開されたことも、原作が存在することも、つい最近まで知りませんでした。

日本でも、この時期にはいわゆる「アニメーション」というのはすでに制作されていたようですが、はたしてダンボほどのクオリティがあったかどうかは疑問です。今のレベルで見ても、かなり「なめらかな動画」です。こんなカラーのアニメを、劇場とはいえ、一般人が見られたわけですからね。アメリカ人がディズニー映画を大事にするのがなぜなのか、少しだけわかったような気がします。

ワタシが個人的に惹かれた部分は、映画の主人公である「子象のダンボ」と「母象のジャンボ」が、いっさいセリフをしゃべらないことです(ほかの動物はしゃべります)。
セリフではなく、仕草や表情で気持ちを表しているんですね。映画を見る子供に内容を理解させるのに、非常に有効な手法と思われますが、逆にその分、動画としてのクオリティの高さ(表情の変化をうまく見せること)が要求されます。そのあたりはよくできているなぁ、と感心しました。

「ダンボ(DUMBO)」は英語では「ばか、まぬけ」という意味があるようで、これは子象を揶揄する意味で使われたとされています。
しかし、おそらくそれだけではないでしょう。母象に「ジャンボ(JUMBO)」という名前を付けていることから、「ジャンボ」と「ダンボ」の語呂合わせも含まれていると思われます。「JUMBO」は、ロンドン動物園に実在した象の名前です(後にアメリカに送られました)。1882年に、アフリカからロンドンに連れてこられたようです。もともと、スワヒリ語のあいさつである「ジャンボ」に似た発音の言葉を、イギリス人が象の種類、あるいは「大きいモノ」を表す言葉と勘違いして、象をこの名前で呼ぶことにしたそうです(航空機のジャンボジェットの由来もココにあるようです)。

時期的に考えても、映画に登場する象の名前が「ジャンボ」であるのは、おそらく偶然ではないでしょう。当時のアメリカ人にとって、「ジャンボ=象」といってもいいぐらい、その知名度は高かったはずで、「ダンボ」という映画タイトルが「象に関係していそうなもの」であることを連想させるのに役だったはずです。

というわけで、この「ダンボ」は、今どきのアニメのようにスペクタクルな演出はありませんが、逆に安心して見られる作品といえるでしょう。親子でのんびり見るといいですね。


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#0150@映画「HEIDI」 [映画]

まるでアニメのダイジェスト版のよう
イギリス映画の「HEIDI」を見ました。いわゆる「アルプスの少女ハイジ」のイギリス版です。見る前には、「きっと古い映画なのだろう」と思っていましたが、なんと、わりと最近作られた映画でした。

制作:イギリス(2005年)
監督:ポール・マーカス
主演:エマ・ボルジャー、マックス・フォン・シドー
助演:ジェラルディン・チャップリン
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映画の内容は、ほぼ原作の小説に準じて作られているようです。
幼くして両親を亡くしたハイジが、おじいさんのいるスイスに預けられ、そしてフランクフルトに連れて行かれ、また山に帰ってきて……、という展開です。

というわけで、もっとも印象深かったのは、ストーリーではなく風景の描写と背景の構図でした。なんと、日本のアニメ版の「ハイジ」と、よく似た風景や背景が出てくるんです。おそらく現地でロケを行ったと思われますが、そのときの「絵」のイメージが、かなりアニメ版に近い感じなんですね。

そういえば、日本のアニメを作るときも、アルプスに取材(絵のベースとなる風景の撮影など)に行ったと聞いたことがありますが、もしかすると、そのときの風景が、今でも同じようなイメージで残っているのかもしれませんね。それとも、映画のスタッフがアニメを見てアングルを真似たんでしょうか?

きっと、アニメのハイジを見た記憶がある人なら、この映画には懐かしさを感じるに違いないと思いました。ただし、アニメ版にある「子供に配慮した演出」はありません。そのほか、いくつか設定が異なります(ヨーゼフもアニメ・オリジナルなので登場しません)。

キャストは、ハイジ役に「エマ・ボルジャー」、アルムおんじ役は「マックス・フォン・シドー」です。シドーは、人間嫌いな「おんじ」の雰囲気を絶妙に醸し出していました。また、ロッテンマイヤーさん役の「ジェラルディン・チャップリン」もナイスです。ロッテンマイヤーさんらしい厳しい表情をうまく演じていました。
この人、チャップリンの娘だそうですが、ほかの出演作品を見たことがないので、今度探して見比べてみたい思います。懐が深そうな女優のようですので。
マックス・フォン・シドーは、あの「エクソシスト」で神父さんの役をやっています(神父は2人出てきますが、年配の方)。これももう一度見てみますかね。でも、エクソシストは恐いんですよね、おとなになってから見ても……。

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